賭けに負けたザッケローニ監督 日本が奇跡を起こすには戦い方をシフトするしかない
ギリシャ戦は、コートジボワール戦ではできなかったことをやって、勝ち点3をつかむはずだった。だが、ピッチ上で展開されたのはボールを持っている時間は長いけれど、アイデアも連動性も乏しい“つまらない”サッカーだった。試合後にはスタジアムからブーイングが飛んだ。勝ち点3を逃したことよりも、日本のサッカーは「こんなものか」と世界中に思われたことが悔しかった。
自分たちのサッカーはどこに消えたのだろうか。
ギリシャ戦ではザッケローニ監督の采配に批判が殺到している。確かに、岡崎慎司を1トップにしてみたり、試合終盤に吉田麻也を上げてパワープレーをしてみたりといった采配は、監督の中に迷い出ていることの表れだろう。
だが、個人的にはザックが“迷走”するのも無理はないと思っている。恐らく、チームの調子の悪さに誰よりも驚いているのはザックなのではないか。思い出されるのは、5月12日に行われたW杯のメンバー発表会見である。
怪我から復帰したばかりの長谷部誠、長期離脱から実戦復帰していない吉田、内田篤人を選んだことについて、「W杯までにほぼ100%の状態に戻るという確信があるのか、それとも希望的観測をもって、ある意味“賭け”で連れて行くのか」と聞かれて、こう答えている。
「14日の初戦まで今日から起算して1カ月ちょっとある。また、ブラジルに入る前までに3試合あるから、それを通じて体のコンディションを高めることができると思っている」