過去5回のアジア杯にない日本代表の姿 トルシエ以降の外国人監督と異なる“采配の妙”とは?
「選手の意見に耳を傾けられる」森保監督、“壁のない”チーム作り
そんな森保ジャパンになって何が変わったのかというと、前述したように「選手の意見に耳を傾けられる」ことではないだろうか。前任の西野朗監督に続く日本人監督となるが、おそらく選手にとっては西野前監督よりも話がしやすいだろう。
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アジアカップは、これまで2000年のフィリップ・トルシエ監督以降は5人の外国人監督が率いてきた(04年:ジーコ、07年:イビチャ・オシム、11年:アルベルト・ザッケローニ、15年:ハビエル・アギーレ)。その間、選手が監督に意見を求めることはなかなか難しかったに違いない。まず言葉の問題があるし、上から目線の監督も多かったからだ。その点、森保監督は選手との間に壁を作らないため、選手もフランクに話をしやすい雰囲気があるのは想像に難くない。それが第3戦の好ゲームにつながったと言える。
試合後、10人のスタメン入れ替えについて質問された森保監督は、「全員を代えるリスクと、半分半分代えるのも難しい」と正直に心境を語りながら、「結果論と思われるでしょうが、私としては結果論ではなく、リスクを感じてもいなかった」と選手起用に自信を見せた。
選手に対し絶大な信頼を寄せているようだが、その根拠は語らなかった。ただ、森保監督のチーム作りに、そのヒントがあるのではないだろうか。ウズベキスタン戦前日の会見で森保監督は試合のポイントを聞かれ、次のように答えた。
「ピッチ上で選手の感覚が互いに合うかどうかが大切なので、今日の練習で合わせていきます。明日の試合も開始から100パーセント上手くいくとは思っていないので、試合中に選手には合わせていって欲しい。それがチームの勝利のためには必要になる」
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六川 亨
1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。