アジア杯16強へ、日本代表を待つ強豪国と“伏兵の落とし穴” 「総力戦」で駆け上がれるか

武藤嘉紀が見事なヘッドで合わせて追いついた日本【写真:©AFC 】
武藤嘉紀が見事なヘッドで合わせて追いついた日本【写真:©AFC 】

“総力戦”を成し遂げるうえで大きなウズベキスタン戦の逆転勝利

 オマーン戦(1-0)は右でん部の痛みが再発した大迫に代わり北川が、トルクメニスタン戦ではボランチで出ていた冨安健洋がセンターバックに下がり、ボランチに風邪から回復した遠藤航が柴崎とともに入った。トルクメニスタン戦の反省を踏まえてカウンター対策をしていたはずだったが、前半20分に南野のところでボールを奪われたカウンターで、相手の2枚にセンターバック2枚で対応するシーンを作られるも、なんとか失点を免れた。

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 しかし、吉田の縦パスなどから高い位置に起点を作った日本は、前半26分に原口、堂安、南野の素早いパスワークでディフェンスをかいくぐり、南野のシュートはGKに阻まれるもセカンドボールに反応した原口がアフメド・アル・マハイジリに倒されると、ペナルティーエリア内のファウルと判定されてPKに。原口が右足で左隅に決めて先制する。

 その後、セカンドボールから相手が放ったシュートがペナルティーエリア内でブロックに入った長友の手に当たったもののノーファウル。後半はボランチを2人とも低めにして、攻撃はサイドからのカウンターに徹するなど安全策で逃げ切り、2連勝で決勝トーナメント進出を確定させた。

 グループ1位通過を懸けた対決になったウズベキスタン戦は日本がオマーン戦から北川を除く10人を入れ替え、ウズベキスタンもオディル・アフメドフなど中核の選手を外した。前半は慣れないメンバーで攻守ともに上手く噛み合わないなか、前半40分にスローインからの速攻でまんまと左サイドを崩され、カバーに入った槙野智章とサポートに来た三浦弦太が相手エースのエルドル・ショムロドフに突破されてゴールを決められた。

 しかし、わずか3分後に室屋成が鮮やかな個人技でサイドの1対1を制すると、ふわりと浮かせたマイナスクロスに武藤嘉紀が見事なヘッドで合わせて追いつく。そこから後半は日本のリズムが良くなり、伊東純也が右サイドのスペースに飛び込みクロスなど惜しいシーンが増えてくる。そして後半13分、右サイドから室屋が上げたクロスのセカンドボールから塩谷が左足を鋭く振り抜き、豪快なシュートを突き刺した。

「いやー、頭が真っ白になりましたね。チャンスがあれば今日、ボランチだったのでどうにかゴール前まで上がってミドルシュートを打ちたいと思っていたので、セットプレー崩れからでしたけど、自分の良さは一つ出せた」

 そう塩谷が振り返るゴールから、ウズベキスタンの放り込みの攻撃をセンターバックの三浦を中心に守る日本は、ダブロン・ハシモフの起死回生のシュートもGKシュミット・ダニエルが好セーブで阻んだ。3試合目にして初めて3枚の交代枠を使い切った森保監督が、大会のポイントに挙げる“総力戦”を成し遂げるうえで重要な勝利になった。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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