レッズ興梠がハリル監督御前弾! 古巣鹿島を破る決勝弾で4年連続二桁ゴール達成

2試合連続弾で10月8日のW杯2次予選シリア戦選出に猛アピール

 2013年に鹿島から浦和へ移籍して以来、カシマスタジアムではゴールを決められないでいた。1トップとしてボールを受けるプレーもうまくいかない局面も多く、試合前にも「鹿島では良いプレーができていない」と語っていた。この日もゴールシーン以外では鹿島のファウル気味の徹底マークに苦しみ、「鹿島がみんな激しくきていた。そこを自分で打開するとか、簡単に味方にはたくとかできれば良かったけど、挟まれてしまって難しかった」と苦しんだ。それでも、レッズの一員として初めてカシマスタジアムでの得点者として名を刻んだ。
 「とにかく、良いプレーをしたいと思って試合に入った」という興梠には、後半3分に惜しい場面があった。MF柏木の縦パスをFWズラタンがフリックすると、興梠が反転して左足で強烈なミドルシュート。GK曽ヶ端の手を弾いてゴールネットを揺らしたが、歓声をよそに副審のフラッグが上がってオフサイドの判定になっていた。興梠も「あれがゴールになっていれば最高だった」と、悔しそうな表情を見せた。このあたりは、「得点にこだわりつつも、味方との連動した動きでゴールにつなげるのが嬉しい」という彼の性格がよく表れていた。
 この日のゴールが、今季のリーグ通算10ゴール目になった。これで、鹿島所属時の12年から4年連続の二桁ゴールを達成。自身も「二桁は最低限だと思っていた」とややほっとした表情を見せていた。
 3月に開幕したリーグ戦も残り5試合。この日の勝利で、浦和は年間勝ち点を64に伸ばして首位をキープ。セカンドステージの順位も、首位の広島から勝ち点5差の3位につけている。06年のリーグ優勝時に記録した、勝ち点72のクラブ史上最多勝ち点の更新も射程圏内に入ってきた。
 鹿島で数々のタイトルを獲得してきた男は、常々「リーグ戦は最後の5試合が大切」と語ってきた。セカンドステージでは、開幕節の松本戦で得点して以来ゴールから見放されていたが、前節の清水戦に続いて2試合連続ゴール。自身が定める勝負どころに向け、浦和のエースは上昇気流に乗っている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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