前回王者スペインと共に、ポルトガルの初戦の大敗はセンセーショナルに伝えられた。だが、独走すると思われたドイツがガーナと引き分けたことで、若干だが上位争いが混沌としたことは、ポルトガルにとって朗報ではないか。米国に勝たなければ厳しい状況に変わりはないが、ここから連勝できれば自力で勝ち抜くことも可能になった。

　しかし、引き分けという選択肢が実質なくなったのも事実。米国戦で勝ち点1でも数字上の可能性は残るが、そうなると、勝ち点4で並んで首位に立つ米国とドイツが第3戦で直接対決となる。彼らが互いに安全策を取って引き分けると、ポルトガルやガーナは手が届かなくなるため、その状態は避けたい。

　一方の米国は、ポルトガル戦に勝利すると決勝トーナメント進出が決まる。先に記したように、引き分けでも勝ち抜けの可能戦が高まるので、現時点では優位な立場にいるチームと言えるだろう。

ただし、ポルトガルに負けた場合は一気に厳しい状況になる。第3戦の相手はグループG最強のドイツ。共に敗退の可能性があるため真剣勝負になる。しかも、ドイツは引き分けでも勝ち抜けが決まるが、米国は引き分けでは敗退の可能性もある。米国としては、とにかくポルトガル戦で決めてしまいたいところだ。