ミラン本田セットプレーキッカー役も剥奪の危機 元世界的名手の指揮官が悪童を直接指導

前節ではキッカー役を務められず

 現役時代にフリーキックの世界的名手として知られたACミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督が前節の敵地ウディネーゼ戦で撃術的な直接FKを沈めたFWマリオ・バロテッリに直接指導していることが発覚した。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。

 ミランは今季の8ゴールのうち、すでにセットプレーから4得点を決めている。フリーキックから2度、コーナーキックから2度と、大きな得点源になっている。この裏には左利きの名手として現役時代にリベロながらゴールを量産した新監督の存在があるという。1998年ラツィオで現役時代に選手はFKでハットトリックを記録。記事では「ミハイロビッチにとってFKはほとんどPKだった」とまで称されている達人が、今は後継者を育てているという。

 記事では「セットプレーはミハイロビッチの専門分野だったが、今はバロテッリに伝道している」とレポートしている。同じ左利きの本田ではなく、右利きのバロテッリが後継者に指名されているという。

 ミランは昨季56得点を決めたが、セットプレーからのゴールはわずかに5得点だった。合わせる側との呼吸が重要なのは前提としてあるが、キッカー側の精度にも問題があった。だが、今季はゴール数の50パーセントを占めるなど精度は向上している。

 今季のキッカー役はバロテッリとMFボナベントゥーラが務めるシーンが増えており、前節ウディネーゼ戦では本田はセットプレーを蹴る機会のなかった。ボナベントゥーラはコーナーキックから2アシストをしたほか、パレルモ戦では直接FKを決めた。バロテッリは、前述のとおり前節に直接FKでゴール。セットプレーでの4ゴールは、この2人によるものだという見方もできる。

 セットプレーでキッカーを務める回数が顕著に減少している本田は、今季いまだにゴールとアシストから遠ざかっている。セットプレーは流れの中でのプレーに関わらず一発で結果を出す大きなチャンスだが、前節はその機会も与えられなかった。まずは、ゲームの流れの中で結果を出さなければ、このままスタメンとキッカー役を同時に剥奪されるという憂き目に合ってしまうかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング