露呈した“致命傷未遂”の決定力不足 英記者が日本のアジアカップ優勝に課した必須課題
少ないチャンスを仕留め、GKが安定したパフォーマンスを見せることは不可欠
前半の45分間は、オマーン守護神ファイズ・アルルシェイディの存在さえなければ、日本は十分なアドバンテージを得てハーフタイムを迎えられたかもしれない。しかし、MF南野拓実(ザルツブルク)はアルルシェイディを前に、何度も最高のチャンスを逃した。よりレベルの高い対戦相手であれば、致命傷になった可能性さえある。南野はシュートスキルを向上させなければならない。
原口は前半で最も目立ち、MF堂安律(フローニンゲン)も右からのカットインでオマーンの脅威に。両選手とも多くのチャンスを生み出した。FWラエド・サレフに倒された原口は、PKを自ら冷静に沈めてゴールを奪ったが、これは少々思いがけない展開だった。
だが、それ以外では、GK権田修一(サガン鳥栖)が今一度、日本の守護神としてファーストチョイスではないことを露呈することに。前半20分、ほんの少しずれていればゴールマウスに吸い込まれたであろうシュートを、エリア内まで走り込んだFWムフセン・アルガッサニに打たせてしまった。
日本がこのグループリーグで、強豪チームの一つと顔を合わせなかったのは幸運だった。しかし、より能力の高い選手を擁し、より畳み掛けてくるようなサウジアラビアやカタールが待ち構えるラウンド16では、チャンス逸やGKの緩みは許されない。日本はパフォーマンスを向上させることが必須である。
[ftp_del]
>>【PR】元浦和の鈴木啓太氏が2018年Jリーグを総括 DAZNで広がる「観る側の面白さ」
[/ftp_del]
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。