露呈した“致命傷未遂”の決定力不足 英記者が日本のアジアカップ優勝に課した必須課題
オマーンの日本対策の影響か、長友と酒井は「サイドの幅を取れなかった」印象
日本代表は13日のアジアカップ第2戦でオマーンに1-0で辛勝した。前半28分にMF原口元気(ハノーファー)のPKで先制したが、ネットを揺らしたのはこの1回のみ。主導権を握りながらもチャンスを決め切れず、自ら苦しい展開を招いてしまった。
かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、決勝トーナメント進出を決めた日本の大会第2戦をどのように見たのだろうか。
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日本が最後にアジアカップでオマーンと戦ったのは、2004年大会のグループリーグ初戦だ。MF中村俊輔(ジュビロ磐田)のゴールでオマーンを1-0と下し、その後、日本は通算3度目のアジア王者に輝いた。森保一監督率いるサムライブルーが再び勝利を目指すならば、今大会はパフォーマンスを上げる必要がある。
トルクメニスタンとの初戦(3-2)で拙劣なパフォーマンスを見せた森保ジャパンは、オマーン戦でもそれほどスムーズには進まず、森保監督がチームの手綱を握ってプレーを抑制しているのかと感じた。
トルクメニスタン戦の後半では、原口とDF長友佑都(ガラタサライ)が最初の30分で容赦なく攻撃を仕掛けたが、オマーン戦では長友もDF酒井宏樹(マルセイユ)も控えめだった。おそらく、オマーンのピム・ファーベーク監督が深い位置にワイドに選手を置いたことが、日本がサイドの幅を取れなかった要因かもしれない。
MF遠藤航(シント=トロイデン)の復帰に伴い、森保監督がDF槙野智章(浦和レッズ)を外し、DF冨安健洋(シント=トロイデン)をセンターバックに戻してMF柴崎岳(ヘタフェ)と並べたことは想定内。驚いたのは、FW大迫勇也(ブレーメン)の代わりにFW北川航也(清水エスパルス)を入れたこと。北川は後半12分にFW武藤嘉紀(ニューカッスル)と交代するまで、全く存在感がなかった。
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マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。