「雪国はハンデにならない」 3年間で2度の全国制覇、青森山田の黒田監督が貫く信念
流経柏に先制許すも3ゴールで逆転勝利 「選手たちの成長を褒めたい」
第97回全国高校サッカー選手権を制した青森山田(青森)の黒田剛監督は、流通経済大柏(千葉)を3-1で破った決勝戦を終えると、「雪国がサッカーのハンデになることはない」という持論とともに、サッカーと関係ない問題も解決していくことが高校サッカー指導者の強みだと話した。
青森山田は前半32分に警戒していたセットプレーから先制ゴールを許す展開となり、「準々決勝から3試合連続で先制される、ゲームプランとは全く違う入りで」と苦笑いしたものの、その後に3得点して逆転したチームを「平常心で追いつき、逆転する精神力。選手たちの成長を褒めたいです」と笑顔で振り返った。
選手によっては中学から6年間、あるいは高校の3年間を青森で過ごすことを決断してやってくる。黒田監督は「青森を選んで耐えて辛抱した覚悟やいろいろな決断、仲間を信じて戦いなさい」という言葉を、決勝に向けて選手たちにかけたのだという。そのうえで、一般的にはハンデであると思われがちな雪国での育成について、このように語った。
「青森は雪国ですけど、今の日本代表にいるような室屋(成/FC東京)や柴崎(岳/ヘタフェ)のようなテクニカルな選手も出てきます。これがサッカーのハンデになることはないです。苦しい思いをして、雪の解けた春先のボールを蹴ることができるのを待ち望んで数カ月を過ごすのが、私たちの指導のなかで重要なことだと思っています。雪国はサッカーにおいて、育成には最高の条件だということになるように、青森の良さも全国に発信したいと。それは3年間で2回優勝できたことで、それなりに表現はできたのではないでしょうか」
確かに、関東以南の地域とは冬場のボールを使ったトレーニングの回数では差がつくかもしれないが、サッカーを渇望しながら地道なトレーニングをする期間があることは、結果的にメリットがあるという持論を指揮官は話した。そして比較されがちなクラブチームとの指導の差についても、高校という学校現場での経験が強みになると語っている。
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