【W杯詳細分析・イタリア-コスタリカ】崩れ始めた「組織力対個」の構図 ポゼッションサッカーがゴールに直結しなかったイタリアとリスクを冒してゴールへ向かったコスタリカ

 一方のコスタリカ代表はW杯直前に日本代表と親善試合を行い日本が3-1で鮮やかに逆転勝利を飾った相手なので覚えている方も多いと思う。コスタリカは初戦、強豪ウルグアイに3-1で勝利を収めた。北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)所属のチームでワールドカップで連勝した経験があるのはメキシコとアメリカの2チームのみだ。そういう意味ではイタリアに胸を借りる試合“だった”。

 コスタリカとの一戦でいち早く決勝トーナメントへ駒を進めるはずだったイタリアは前半終了間際の44分、オランダのPSVでプレーするブライアン・ルイスに得点を決められてしまう。相手の危険なところにピンポイントで入ってくる嗅覚と決定力は先の日本代表戦のイメージそのままだ。イタリアもピルロからバロテッリへ決定的なパスが送られたり、何度かチャンスはあったが、それでもコスタリカの組織された守備を破ることは出来なかった。

 この日はイタリアはポゼッションサッカーでパスを回すことが目的化してしまい相手ゴールに近づけないという悪い部分が出てしまった。

 コスタリカポジション

 最初のイラストを見てほしい。これはコスタリカの試合中各選手のボールタッチ位置の平均ポジションを表している。最終ラインの3人の選手はペナルティエリア幅でフラットな立ち位置をキープしている。

 マインツでプレーする左サイドの⑮ディアス、右サイドの⑯ガンボアは低い位置のサイドの守備に加え、積極的な攻撃参加の結果、平均ポジションが高くなっている。ボランチのポジションは⑰テヘダが見えないが⑤ボルヘスとバランスよく中央エリアでプレーしていたため重なっている。

 

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