青森山田が2年ぶりの選手権決勝へ! 3-3からPK戦の死闘、尚志との“東北対決”制す
途中出場のFW小松が殊勲の同点弾 尚志FW染野はハットトリックも涙呑む
第97回全国高校サッカー選手権は12日に埼玉スタジアムで準決勝を行い、第1試合では3-3からもつれ込んだPK戦の末に青森山田(青森)が尚志(福島)に競り勝った。尚志は2年生エースFW染野唯月がハットトリックの活躍を見せたが、ベスト4で涙を呑んだ。
2大会ぶりの優勝を狙う青森山田と7大会ぶりのベスト4で福島県勢初の決勝進出を狙う尚志の一戦は、両チームとも序盤から手堅い姿勢を見せたため膠着状態となったが、セットプレーからゲームが動く。前半27分、尚志は右サイドでFKを得ると、3回戦では直接決めている左利きのDF沼田皇海がキッカーを務める。ニアサイドに曲がって入るボールに対し、マークを外した染野が右足で流し込み、前半は1-0と尚志がリードを奪って折り返した。
すると後半は両チームが一気にゴールを奪い合う展開になった。まずは後半11分、青森山田は右サイドからMFバスケス・バイロンがペナルティーエリア内で縦への突破を狙ったところで倒されてPKを獲得。これをJ1北海道コンサドーレ札幌入りが内定しているMF壇崎龍孔が、ゴール中央にフワリと浮かせる強気なシュートを決めて追いついた。
青森山田はさらに同18分、左CKのチャンスにゴール前中央からニアサイドに一気に走り込んだDF三國ケネディエブスが頭で合わせてゴール。連続ゴールで2-1と逆転に成功した。
それでも尚志はその5分後、ペナルティーエリア内の右45度付近でマイナスのパスを受けた染野が、左足のシュートフェイントでGKを含む相手3人をスライディングさせて倒すと、左足でぽっかりと空いたゴールに流し込んで2-2の同点とした。さらに染野は同30分、ショートカウンターからラストパスを受けるとGKとの1対1を冷静にゴール右に流し込んでハットトリックを達成。2年生エースの爆発で尚志が再び3-2とリードを奪った。
だが意地を見せる青森山田は同42分、交代出場直後のFW小松慧が相手のクリアをカットすると、そのまま角度のないところから相手GKと入れ替わるようなシュートを流し込み、土壇場で3-3の同点に追いついた。残り時間、青森山田は小松が再び相手のクリアボールを奪ってGKとの1対1に持ちこんだが、ここは尚志のGK森本涼太がファインセーブ。尚志はアディショナルタイム中にGKを森本から鈴木康洋に代え、試合はPK戦にもつれ込んだ。
双方ともに1人ずつ枠外に外して迎えた4人目、青森山田の主将GK飯田雅浩が尚志DFフォファナ・マリックのシュートを読み切ってセーブ。2大会前の王者がPK戦を4-3で制し、14日に埼玉スタジアムで行われる決勝に勝ち進んだ。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)