日本代表「アジア杯初戦出場12人」を金田喜稔が採点 “5つ星”選手、がっかりした選手は?
格下のトルクメニスタン相手に3-2と辛勝 2ゴールの大迫に最高評価
日本代表は9日にUAEで開催されているアジアカップのグループリーグ初戦に臨み、FIFAランキング127位のトルクメニスタンに3-2と勝利した。2011年以来2大会ぶり5度目の優勝を狙うなか、格下相手に先制点を許す苦しい展開となったものの、FW大迫勇也の2ゴールとMF堂安律の一撃で辛くも逆転勝利。思わぬ苦戦を強いられながら、なんとか白星スタートを飾った一戦で、インパクトを残した選手は誰だったのか。
1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」としてその名を轟かせ、日本代表としても活躍した金田喜稔氏が、トルクメニスタン戦に出場した全12選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。金田氏は日本を勝利に導く2ゴールを奪った大迫に最高評価を与えるとともに、左サイドのコンビが見せた修正力も称賛した。
◇ ◇ ◇
<FW>
■大迫勇也(ブレーメン)=★★★★★
大会初戦の前半に相手に先制点を奪われるという難しい状況のなか、自らの2ゴールで流れを一変させた。文句なしのこの試合のMVPであり、一番点を取ってほしい選手が、今大会に最高の形で入っていけたのは、チームとしてとても大きい。ポストプレーではもっと収めてほしいシーンはあったものの、FWとしては守備的な相手に囲まれスペースを見出しに難い試合。そのなかでも得点にしっかりと絡んだポジショニング、決定機での冷静さを見ると、やはりチームで最も代えがきかない選手だと再認識させられた。
<MF>
■堂安 律(フローニンゲン)=★★★★
前半の1失点目は堂安のミスからだったが、中島翔哉(ポルティモネンセ)が怪我で不在となった状況のなかで、大会初戦で1ゴールを奪えたことは評価したい。失点につながるミスをしたというのは本人が一番認識していたはずで、そのなかで結果を出したところに堂安のメンタル面の強さが見えた。日本が決勝まで勝ち進めるか否かは、堂安の成長力に期待するところが大きいだろう。
■南野拓実(ザルツブルク/→後半27分OUT)=★★★
消える時間が多かった。その最大の要因は、相手が5バックと中盤4枚で自陣深い位置のスペースを消して守っていたからだ。昨年の親善試合のように、周囲の選手と近い距離を保ち、パスを回して崩していくような状況ではなかっただけに、南野が堂安や原口の前をダイアゴナルに走ってサイドへ流れていくなど、もう少し異なるプレーを選択しても良かっただろう。大迫との距離感を意識しすぎたのかもしれないが、相手があれだけゴール前に人数をかけて守ってくる展開では、自らが動いて囮となりボランチが上がるスペースを作るなど、攻撃全体にダイナミズムを生み出す工夫がほしい。
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金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。