初戦に比べはるかに進歩した日本。コロンビア戦はボールを辛抱強く動かすこと。
(写真:松岡健三郎)
失点後に高い位置からプレスをしかけ、ボールを素早く動かし、攻撃のテンポを上げてくるコートジボワールに合わせるように、マイボールにした後、自陣に深みを作ることをせずに前にボールを運んでしてしまい、アップダウンのダウンの回数が多い、試合をコントロール出来ない状態にしてしまった。
前半33分30秒ごろのシーンに見られるように、ボランチの選手が不用意にFWに当てて、自分たちがリスクマネージメントできておらず、守備バランスが崩れている状態でショートカウンターを受けるシーンが目立った。このシーンの後、吉田選手が激昂していたが、こういった軽率なプレーをボランチがすると試合の流れを簡単に失ってしまう。
繰り返すが、日本代表チームの弱点は相手にボールを持たれている時ではなくて、自分たちがポゼッション志向のチームにもかかわらず、リスクマネージメントができていいない状態で縦にボールを入れて、不用意なショートカウンターを受けて、相手にみすみすペースを握らせてしまう点にある。
選手個々の能力や監督の能力やコンディションを比べて、グループの他のチームたちよりも劣っているとは思わない。だが、自分たちの能力を「対戦相手に対して」最大限に発揮しているように“見せる”術を知らないように思える。
ザッケローニ監督が「もっとボールをキープすべきだったができなかった。自分たちのプレーをもっとするためにはボールを獲得する必要があるが、今夜はなかなかそれができなかった。ボールを獲得し、それをキープすることに苦労した」と言っていた、この点が全てだったと思う。
同点後、コートジボワールが日本の守備ブロックの外でボールを動かしてシンプルにボールをキープしてリズムを作り、日本を走らせていた。リードした後に本来は日本がやらなければならないことをやられてしまった試合だった。