J2徳島の井筒陸也、24歳でプロサッカー選手を引退 「人生を懸けた勝負」で志すもの
枠にとらわれず、生きていく
――2018年シーズンはJ2で33試合に出場して1得点。チーム全体で見ても、30試合以上に出ているのは井筒さんを含めて5人しかいません。完全な中心選手でした。
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「期待してくれていた人に対して、素直に申し訳ない気持ちがあります。とはいえ、クラブには単年契約でお願いしていましたし、僕がどういう思いでサッカーをしているかは1年目からしっかりと話していました。『もったいない』と言ってくださる方もたくさんいたし、『辞めるなら、一度スポーツから離れたほうがいいんじゃないか』など、アドバイスをくれた方もたくさんいました」
――それでも考えは変わらなかった。
「『もったいない』とか『こうしたほうが賢い』というような意見に振り回されず、本当に自分が何をしたいのか、何をすべきかという軸を持って決断しました。『今まではこんなキャリアの人が成功してきた』『こうすればうまくいく』という“枠”にはとらわれない考えができるようになってきたんです。本当に、自分が面白いと思ったことにチャレンジしている人が周りに多くいた影響も大きいですね」
――そして、これからは社会人チームでプレーを続けるという選択をされたんですね。
「そうです。株式会社Criacao(クリアソン)で働きながら、そこが運営する関東2部リーグのCriacao Shinjukuというクラブでプレーします。プロではないので選手としての給料はゼロで、これからはビジネスをガリガリやっていきます」
――その場所を選んだ理由はなんだったのでしょう?
「『クラブ』『会社』『社会』という3つの自分の居場所をイメージできたからです。これはクリアソンの代表の方が言っていたことですけど、クラブで起きている事象は会社にも起こるし、事業にもなる。たとえば、クラブでどうすれば良いチームワークを作れるのかという話は、会社内でいいチームワークを作るためにどうすればいいのかを考えるのと同じこと。そして、それは社会にも当てはまることだから、会社の事業としてその価値を社会に提案していけばいい、と。アウトプットとインプットにつながるこの3つの場所のつながりが、明確に見えたというのが自分の中で大きかったです」
――プロではない立場で、選手としてプレーを続けるというのは難しい決断ではなかったですか?
「僕もそこは迷っていて、完全に辞めようかなとも考えました。とはいえ、僕は昔から頭でっかちな批評家になりがちなので、口先だけではなく『できるのか・できないのか』という現場の感覚は持っておきたかったんです。小さい時から『口だけ番長』と言われていましたから(笑)」
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