スアレスの復活を陰で支えた理学療法士、W杯前に自らのがんも克服していたことを報じられる

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 半月板損傷の大けがにより、W杯の出場が危ぶまれたスアレスだが、無事にピッチに立ってゴールという結果を残した。その早期復帰に尽力した恩人は、自らも血液のがんを克服していたという。ESPNが「スアレスの理学療法士がW杯前にガンを克服」と報じている。

 スアレスは今年5月22日、半月板の損傷で手術を受けた。彼にとってフェレイラ氏は、1カ月前に車いすに乗っていたはずの男を、奇跡的な決勝ゴールを挙げるまでに回復させてくれた恩人だ。

「私は彼とたくさん涙した。なぜなら、それはあまりに苦しく困難な時間だったからだ。彼も苦しい時間を過ごしていたのに、いつも私と共にいて、犠牲を払ってくれた」

 ストライカーは動画サイトに自らビデオメッセージを投稿し、フェレイラ氏に感謝の言葉を捧げた。フェレイラ氏は非ホジキンリンパ腫という血液のがんを患い、放射線治療を受けていたが、主治医の許可を得てウルグアイ代表のブラジルW杯遠征に帯同している。

「私にとって、妻と2人の息子が世界で一番大事な存在だが、今はこの人もそうだ。彼は私の回復に全力を尽くしてくれた。(回復できた)90%は、ワルター•フェレイラの仕事なんだ」

 ビデオメッセージでは、こうも続けている。放射線治療の効果で白血球の数が少ないこと以外は、ほぼ全快したというフェレイラ氏は、「彼は今日ここに来るまで必死に頑張ったから、ゴールに値する。私は練習場に行けなかったから、(彼は)私の家に来ることになった。彼は(復活に)全てを捧げたんだ」と、地元ウルグアイのラジオ局に語っている。

「私には言うことはありません。人生は山あり谷ありだけど、戦い続けないといけない。私は感謝している。なぜなら、今も戦い続けることができるのだから」

 大会出場が危ぶまれた世界屈指のストライカーを復活させ、自らも病魔を克服したフェレイラ氏の力強い言葉は、実に感動的だった。

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

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