ギリシャを“おぼれさせる”ことができなかった5つの要因 コロンビア戦は吉田、今野のビルドアップ参加が鍵
■本田とボランチの不適切な距離感
引いた相手をどう崩すか。これはどのチームも抱えるテーマですが、日本には打開策がありました。ただ、それをうまく実行できませんでした。ギリシャは前からプレスをかけてくるチームではありません。自陣にボールが入ったときにプレスを開始します。日本のセンターバック(吉田、今野)がボールを持っていても、プレッシャーはそれほどありません。今野が何度かトライしていましたが、引いた相手に対してポゼッションをして攻め込む場合、センターバックがビルドアップに関わることが重要なのです。しかし、日本はボランチの選手(山口、長谷部)がセンターバックに近づいてボールを引き出し、そこから前方へと運ぼうとします。そうすると、本田や大久保、岡崎といった攻撃的な選手との距離が空いてしまいます。本田は賢い選手なので、ポジションを下げてボールを受けようとパスコースに顔を出しますが、そうすると彼は相手ゴールから遠い位置でボールを受けることになります。本田のようなスペシャルな才能を持った選手は、相手ゴールの近くでプレーするからこそ輝きを放ち、相手の脅威となるのです。それは大久保も岡崎も、香川についても同じことが言えます。