22年連続出場の名門・青森山田をも飲み込む“魔物” 黒田監督が吐露「見えない緊張あった」
草津東相手に6-0と圧勝も、「(足を)攣ったやつが3人くらいいた」と硬さを指摘
第97回全国高校サッカー選手権大会の2回戦が2日に各地で行われた。2年前の王者で、22年連続24度目の出場を誇る青森山田(青森)は草津東(滋賀)との2大会連続同カードの試合を6-0で圧勝した。しかし、快勝劇のなかでも、プレッシャーという見えない敵との戦いに苦しめられていたと、名将・黒田剛監督は大舞台での難しさを吐露した。
前半13分にMF天笠泰輝のミドルシュートが決まって試合の均衡を破った青森山田。同37分にもMF武田英寿のゴールが生まれて2-0で前半を折り返した。後半にもJ2アビスパ福岡内定のDF三國ケネディエブスらのゴールで4点を追加し、怒涛のゴールラッシュで白星を手にした。昨季の再現となった草津東との一戦を制して、3回戦に駒を進めた。
順調に見える船出だが、青森山田を率いる黒田監督は「(足を)攣ったやつが3人くらいいた。硬さというか、見えない緊張があった」と選手たちを重圧が襲ったと振り返る。スコアには表れない、難しさをあったという。全国大会常連で、J1コンサドーレ札幌内定のMF檀崎竜孔らタレント揃いの青森山田の選手とはいえ、やはり選手権という大舞台で平常心を保つのは至難の業だったようだ。
今大会はU-16日本代表FW西川潤を擁する桐光学園(神奈川)や“赤い彗星こと”東福岡(福岡)が2回戦までに敗退。名門と呼ばれる強豪も、選手権に潜む重圧という“魔物”に飲み込まれていった。1995年から20年以上にわたって青森山田を率いる名将・黒田監督は、油断は禁物だと気を引き締めている。
「前半に動きが硬かったり、立ち上がり悪いということは、のちのち仇となってくるので、明日はそういうことがないようにしっかり準備できればなと思います」
黒田監督曰く「個性があって、性格的なパワーもある子たち。2016年度に優勝した時のチームにすごくよく似ている」という今大会の青森山田。覇権奪回を狙う元王者に慢心はない。
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(石川 遼 / Ryo Ishikawa)