「東福岡に勝ちたくて…」 選手権の悔し涙から1年、尚志が2発快勝でリベンジ
坂下と高橋のゴールで2-0快勝、前回大会1回戦の0-3完敗の雪辱果たす
第97回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦の16試合が行われ、浦和駒場スタジアムの第1試合では尚志(福島)が東福岡(福岡)に2-0で快勝し、前回大会1回戦で敗れた雪辱を果たした。
3分のアディショナルタイムが終わり、主審の長い笛が鳴り響くと、尚志の仲村浩二監督は何度も派手なガッツポーズを作って喜びを爆発させた。「東福岡さんに勝ちたくて、悔しさを持ってこの1年やってきました。でき過ぎ。選手が本当によくやってくれた」と勝利の余韻に浸りながら、記者の長い質問にも一つひとつ丁寧に答えていった。
この試合で東福岡の得点チャンスは、前半24分と27分の二度だけ。これを凌いだ後の同31分、尚志は逆襲からFW染野唯月が左サイドを力強く突進し、強シュート。これは東福岡のGK松田亮にセーブされたが、そのこぼれ球をMF坂下健将がダイレクトで叩き、鮮やかな中距離砲を突き刺した。
前回大会では前半に何度かあった好機を決められず、無得点で完敗しただけに尚志にとっては願ってもない先制点となった。
後半は相手の猛攻が予想され、ともすれば受け身になる恐れもあったが、イレブンは次の1点、さらにもう1点と貪欲に得点を狙い、守備的になるどころか豪胆に攻め抜いた。
後半3分にFW二瓶由嵩、同11分にMF高橋海大が決定的な一撃をお見舞いしたが、186センチのGK松田の好守に立て続けに阻まれた。この後も4度の得点機を作りながら追加点が奪えない。チャンスを逃していると、サッカーでは罰を受けることがしばしばだ。
しかし尚志は最後までゴールを狙い、最後まで厳しいプレスと的確なカバーリングで東福岡にリズムを渡さなかった。仲村監督は「去年は相手をリスペクトし過ぎて受け身になってしまった。でも今回は前からプレスをかけ、背後からの守備も上手くいった。ウチらしく普段どおりに戦えた」と勝因の一端を明かした。
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河野 正
1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。