中村俊輔の芸術的プレーを生むものとは? 専属トレーナーも驚く「体の使い方の上手さ」
中村の技術が詰まった、「ボールが足に“乗る”」曲線的ドリブル
中村といえばキックも印象的だが、ドリブルでも輝きを放つ。直線的に相手を抜き去るというよりは、相手の裏をかくようなフェイントを交えた曲線的なドリブルが持ち味で、これもまた中村だからこそのプレーだと新盛氏は語る。
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「彼の場合はボールが足に“乗る”ので、グググッと溜めてから急激な方向転換ができます。相手の重心の逆をとるようなプレーをよく見ますよね。あれは関節の可動域が広く、筋力もしっかりとあって、踏ん張れるからこそだと思います。あれは独特ですよね。前にFC東京との試合でドリブルから切り返して、切り返してシュートを決めたことがありましたよね。あれなんか、まさに典型的です」
中村の真骨頂が出たプレーとして例に挙げたのは横浜F・マリノス時代の2013年、J1第21節のFC東京戦(2-0)で見せた圧巻のドリブルシュートだった。
カウンターアタックでFWマルキーニョスからパスを受けた中村は、ペナルティーエリアの手前でまたぎフェイントから左足でシュートを放つと見せかけて、深い切り返しを見せた。対峙するDFのタイミングを外して右足に持ちかえ、今度こそシュートというタイミングでも再びキックフェイントでDFを翻弄。三たびのシュートチャンスで左足を振り抜き、鋭い一撃をゴール左上隅に突き刺したのだった。
「本当に蹴ると思うからDFもああなってしまう。いざ左足で蹴られるのも危険だから、どうしようもできない。『本当に蹴るぞ』というようなフォームから切り返せるから、(DFも)バタバタと倒れちゃうんですよね」
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