攻撃では流動性を示したが、守備ではあっさりと最終ラインが決壊するなど課題を残した。そして、勝利の後にもかかわらず、ミックスゾーンにやってきた本田の表情は硬かった。
　試合を振り返った背番号10は「そうですね、思った以上に、難しい試合になったので、その中で、あのバッカのゴールでしっかり勝ち切ることができたことはよかったと思います。今日、勝った時点で今一番大事なことは、次の試合で連勝することだと思う。時間も全然ないですし、どれだけチームとして、フィジカル的にリカバリーできるかが大事だと思います」と語った。
　その言葉は、チーム全体のパフォーマンスに言及 するに止まった。前半38分に自らボールを奪い、バッカにチャンスをつなげるなど意地も見せたが、ゴール、アシストという喉から手が出るほど欲しい目に見える結果にはつながっていない。
　チームが結果を出す中で、本田の表情は、あまりに険しかった。トップ下としての本分とも言える攻撃面で成果を出せないもどかしさ、そして、苦しみを如実に表すようだった。