完璧な“エース封じ”見せた大津主将 現地観戦の湘南監督にアピールできた要素は?

大津のDF福島隼斗【写真:Football ZONE web】
大津のDF福島隼斗【写真:Football ZONE web】

湘南内定のDF福島、大会屈指のエースFW西川を完封し桐光学園に5-0圧勝

 今大会、桐光学園(神奈川)の2年生エースFW西川潤は、近年稀に見るほどの脚光を集めていた。2018年9月から10月にかけて行われたU-16アジア選手権では日本代表を優勝に導くとともに大会MVPを受賞。海外クラブからの獲得の関心も噂されており、12月31日にニッパツ三ツ沢球技場で行われた第97回全国高校サッカー選手権の1回戦でも、西川の活躍に注目が集まっていた。しかし、そんな大会屈指のストライカーを沈黙させたのが、大津(熊本)のDF福島隼斗だった。

 1回戦の注目カードとされていた一戦だが、蓋を開ければ5-0と大津の圧勝に終わった。インターハイ準優勝チームを相手に5得点を奪ったことも見事だが、それ以上に評価すべきは、桐光学園の強力アタッカー陣を完封したことだろう。

 福島はその守備陣の中心にいた。来季の湘南ベルマーレ加入が決まっており、数少ないJリーグ内定選手の1人として今大会を迎えていた。試合は開始10分間で大津が2点のリードを奪う展開となり、差を縮めようと前がかりとなる桐光学園に対し、守備陣が徹底してピンチの芽を摘んでいた。

 なかでも相手エースの西川には完璧と言っていい対応で、マッチアップでことごとく抑え込んだのが福島だ。空中戦の強さやカバーリング力は折り紙付きだが、何より光ったのはその分析力。序盤に西川が華麗な反転を見せゴールに迫ろうとしたが、その“癖”を見極めた福島は、その後試合を通し、西川の真骨頂である反転ターンをほとんど封じ込めていた。

「反転で左に向くと読まれてしまい、ブロックされてしまっていた」

 西川は試合後、福島とのマッチアップで自身の武器であるターンが、この試合で通用しなかったことを認めていた。アジアの舞台でも結果を出してきたストライカーだが、これほどまでに存在感を発揮できずに終わった試合は、経験したことがないという。

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