伊地元紙で酷評受けるミラン本田「ベンチ要員になりたくなければ考え方を変えるべき」
攻撃面での影響力が批判の的に
13日に行われたインテルとの伝統あるミラノダービーで0-1の敗戦を喫したACミラン。エースナンバーの「10番」を背負う日本代表FW本田圭佑は、無得点の攻撃陣の責任を一身に引き受けるかのようにイタリア地元メディアから集中砲火を浴びている状態だ。その問題点についてイタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が論評している。
「ネガティブな印象だった開幕節のフィオレンティーナ戦以来、またしても本田はミランを失望させた」という厳しい評価で始まる記事では、チームへの影響力の少なさを指摘されている。シュートは前半にペナルティーエリア外から放った2本に終わり、決定的なプレーはなかった。その上に、13回のボールロストがあったことが厳しい評価の根拠となっている。コロンビア代表FWカルロス・バッカとブラジル代表FWルイス・アドリアーノの強力2トップにパスを供給することが期待されたが、それに応えるものではなかったと報じられた。そして、トップ下の選手としては、もっとミランの攻撃面に創造性やクオリティーを与えなければいけないと、論評された。
記事では一貫して、「10番の選手としては試合を決定づける仕事ができていない」と、やはり“ミランの10番として”という視点で評価されていることが浮き彫りになっている。あまりにも後方に下がってプレーすることが多く、シニシャ・ミハイロビッチ監督が求めるゴール前で何かを起こすプレーが少なすぎると批判されている。
そして、「この日本人は、ゴールを奪うための仕事をもっと意識すべきだ。シーズンをベンチ要員として過ごしたくないのであれば、考え方を変えなければいけない」と、より攻撃面で貢献できなければベンチ生活が待っていると警鐘を鳴らしている。
トップ下の選手はゴールやアシストで評価されがちだ。中盤でリズムを作るようなプレーは、他のポジションの選手に任せておけばいいというのが、イタリアでは主流の考え方になっている面がある。それが、チームメートや監督の評価とメディアの評価の差につながる一面はある。しかし、少なくとも今の本田にとって大切なことは、数字に残る結果を出すことだというのが明確になっているといえるだろう。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images