中島と堂安、プレミア移籍の信憑性は? 噂の2クラブを記者が直撃、感じた“温度差”
ニューカッスル地元紙記者が断言 「堂安を本気で狙っている」
中島のケースと正反対なのが、堂安律の移籍報道だ。ニューカッスルの地元紙「クロニクル」が12月13日付で報じており、この記事中にはニューカッスルのスカウトがオランダで数カ月にわたって若き日本代表エースの動向を追ったという記述もあり、信憑性も高い。
そこで筆者は、記事を書いたリー・ライダー記者に話を聞いた。するとライダー記者は、若手バロンドール候補にもなった堂安は「ニューカッスルには素晴らしすぎる人材の気もするが…」と前置きして、次のように語った。
「ニューカッスルは堂安を本気で狙っている。聞いたところでは、少なくとも5試合、堂安視察のためにオランダにスカウトを派遣している。移籍市場でのライバルはマンチェスター・シティになると思うが、(ニューカッスルは)シティより1軍での出場機会をより多く与えられると思う」
これぞクラブスタッフと密接な関係にある地元紙らしい取材の成果だ。この話を聞くと、移籍実現の可能性は中島より堂安のほうが濃厚である。
さらに15日のハダースフィールド戦後、ニューカッスルを率いるラファエル・ベニテス監督に、「英国メディアで堂安の1月獲得が報じられたが?」と水を向けると、「彼ら(英メディア)にも同じことを聞かれたが、特定の選手について話すことはできない。来週にミーティングを開き、(補強の)ターゲットとなっている選手について話し合う予定になっているが、先ほども言ったとおり、(1月の移籍解禁を半月後に控えた)今、彼(堂安)について聞かれても何も話せない」と発言。完全否定のエスピリート・サント監督に比べれば、補強リストに堂安が載っていることを示唆するような、感触の良い返答だった。
実際、移籍は本決まりになるまで全く予断を許さないものだ。それに堂安には、ライダー記者が言うようにシティやユベントスといった欧州の真の強豪や、アヤックス移籍の報道もある。手堅くオランダ名門への移籍となれば、ここでUEFAチャンピオンズリーグ出場経験を積むこともできるだろう。
しかし現地取材をした結果、現在の吉田麻也(サウサンプトン)、岡崎、武藤に続く4人目のプレミアリーガーはウォルバーハンプトンの中島より、ニューカッスルの堂安のほうが“可能性あり”と見ている。
[著者プロフィール]
森 昌利
1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。
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(森 昌利 / Masatoshi Mori)
森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。