中島と堂安、プレミア移籍の信憑性は? 噂の2クラブを記者が直撃、感じた“温度差”

武藤嘉紀も中島のプレミア移籍に太鼓判を押した【写真:Getty Images】
武藤嘉紀も中島のプレミア移籍に太鼓判を押した【写真:Getty Images】

対戦した武藤も太鼓判 「翔哉ならすぐに中心選手になれる」

 こうして中国資本と“スーパー・エージェント”の凄腕で優秀な監督を招聘し、クオリティーの高い選手を集めたウォルバーハンプトンは、今季のプレミアでは昇格組ながらボールを細かくつなぐテクニカルなサッカーを展開している。第3節で王者マンチェスター・シティと見事な1-1ドロー劇を演じて存在感を示すと、12月5日の第15節チェルシー戦では1点を先行されながら2-1と逆転勝利を飾り、その後は勢いに乗って3連勝。第17節終了時点で降格圏の18位に「13」差をつけた勝ち点25でリーグ7位という成績は、まさに大健闘と言えるものだ。

 こうしたチーム状況は、技術の高いドリブラーとして頭角を現した中島の移籍先として、非常に好ましい。才能ある若手監督に率いられ、戦略もプレミアの中堅以下のクラブにありがちなフィジカル一辺倒ではない。しかも、チームは将来有望なポルトガル人選手を中心にした多国籍軍団であり、ポルトガルで1年半プレーしてきた中島もすんなり溶け込みやすい環境だと思う。

 また、今季ニューカッスルに移籍したプレミアの先輩、武藤嘉紀も中島の移籍に太鼓判を押した。

 12月9日、ホームで行われた第16節ウォルバーハンプトン戦、味方に退場者が出て出場機会がなかった武藤は、ピッチサイドから90分間試合を見つめた後、こう語った。

「(中島に移籍の噂があるのは)ここのチーム(ウォルバーハンプトン)ですよね? 絶対にできると思いますよ。前の面子(3トップ)を見ていても、良いFWはいますがサイドの選手はそんなに怖くなかったので。翔哉が入ってきたら、かなり面白いんじゃないですか? FWにすごく速いのがいて、且つ(その速いFWと連携して)結果を出していけば、すぐに中心選手になれると思います」

 まだ開幕から約4カ月とはいえ、プレミアの厳しさを体験中であり、FC東京時代に中島とチームメートで、しかも目の前でウォルバーハンプトンを見た直後に武藤が語った言葉だ。多少、激励の意味もあるとは思うが、中島がイングランドでやれると武藤が直感しているのは、はっきりと伝わってきた。

 さらに、この試合の前日には中島の所属するポルティモネンセのサンパイオ会長が「中島は80%、ウォルバーハンプトンの選手。あとは移籍金が(ポルティモネンセが設定した)全額支払われるかどうかだ」と発言。これで日本における報道は、「中島の1月ウォルバーハンプトン移籍はほぼ確定」というムードになった。

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森 昌利

もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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