リーグ未勝利のユベントスを元主将デル・ピエロが憂う「チームに問題がある時期だ」
ファンタジスタは攻撃面の混乱を指摘
リーグ開幕3戦で勝利なしと、まさかのスタートとなったイタリア王者のユベントス。かつて背番号「10」とキャプテンの重責を担ってきた元イタリア代表FWアレッサンドロ・デル・ピエロが、ユベントスの現状に憂いのコメントを残している。衛星放送局「スカイ・スポーツ」のインタビューに応えた。
「ここ数年、ユベントスは戦術的に完璧なチームだった。でも、このキエーボ戦ではゴール前でのチャンスに対して多くの選手が絡み過ぎてしまって、混乱している場面が一度ではなく起こってしまっていた。これは、チームに問題がある時期だということを示している」
開始5分で0-1とビハインドを背負ったゲーム展開の中で、ユベントスは70パーセントを超えようかというボールポゼッションで攻め込んだ。しかし、ゴール前でキエーボの守備陣を揺さぶることができず、偶発的に訪れた決定機でもシュートを枠外に外してしまった。多くの人数を掛けてゴール前に攻め込んだゲーム展開だったが、かつてルネサンス期の画家に例えられ「ピントゥリッキオ」との愛称をつけられたファンタジスタにとっては、必要以上の人数によって混乱していると映ったようだ。
ユベントスのゴール数は、この3試合で合計2ゴール。0-2のビハインドから1点を返したローマ戦と、このキエーボ戦で1-1の引き分けに持ち込んだ同点ゴールのみにとどまっている。いずれも新加入FWパウロ・ディバラによるものだが、この日のゴールは同じく新加入のコロンビア代表FWフアン・クアドラードの強引な突破によって得たPKだった。愛情を持って古巣を見守っているクラブのレジェンドにとっては、歯がゆいものになっているのかもしれない。
この日のゴールは新加入の2選手によってもたらされたものだが、デル・ピエロは新加入選手の中でも左サイドバックで初出場したアレックス・サンドロに希望を見出したという。
「彼は良いクロスボールを上げていたし、ユベントス全体があまり良くないプレーをした中でも拍手を受けるべきプレーだった」
15日にはUEFAチャンピオンズリーグの開幕戦で、イングランドのプレミアリーグで開幕5連勝と好調のマンチェスター・シティと対戦する。好対照なスタートを切った2つの強豪クラブだが、ユベントスはわずかな期間でどこまでチーム状態を立て直すことができるのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images