イタリア伝統の守備は健在

　対するイタリアはどうか。往年の守備的なイメージとは違い、非常に攻撃的なサッカーを志向している。前線には高い技術と身体能力を兼ね備えるマリオ・バロテッリが君臨し、中盤では抜きん出たパス能力とインテリジェンスを持つ

揮官アンドレア・ピルロが、チームメートの高いポテンシャルを最大限に引き出す。コスタリカの守備陣が一瞬でも隙を見せれば、致命傷になりかねない。

　そして、伝統の守備は相変わらずだ。最終ラインはフィジカルが強く、対人、カバーリング、どれもハイレベルでこなすアンドレア・バルザーリを中心にまとまっている。GKに関しては、4度目のW杯になる守護神ジャンルイジ・ブッフォンこそ、けがの影響で初戦に続いて欠場の可能性があるが問題ないだろう。そのイングランド戦では、第2GKサルバトーレ・シリグが安定したパフォーマンスを披露。ブッフォンの代役を十分以上に果たしたからだ。

　先のブックメーカーの「イタリア対コスタリカの勝敗」に関するオッズだが、イタリア勝利が1.53倍、コスタリカ勝利が7倍、引き分けが3.8

。引き分けはともかく、コスタリカ勝利にはなかなか厳しい数字が出ている。

　とはいえ、スペインの惨敗を目の当たりにした以上、サプライズが起きる可能性は世界中のサッカーファンに織り込み済み。われわれ日本人が強豪コロンビアを仕留めようと考えるように、コスタリカの人たちもイタリアに一杯食わせての1位通過をもくろんでいる。そこにはウルグアイ戦でつかんだ確固たる自信が存在する。イタリア優位は動かないものの、注目の一戦である。

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文　text by Soccer Magazine ZONE web

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