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鹿島がレアルに本気で挑み見えたもの 涙の19歳安部が体感した「プレー強度の差」
日本が世界で勝つための絶対条件は? 内田「なるべく失点1で抑えて…」
逆に90分そういう戦いをやり切ろうとしていたら、前半に1点奪おうと2点奪おうと、後半に逆転される可能性が限りなく高い。そうした具体的なプランニングは定かではないが、こういう強度でどこまでやれて、やれないのかは実際に試合をしてみないと分からない部分もある。
内田は「特に変わりなく、練習の段階でも対レアルっていう感じではなかったし、個人の弱み…そんなところないんだけど、そういうのを突こうという練習はしてきたし、特に相手に合わせるという準備の仕方はしなかった」と語ったうえで、勝つことだけを考えるなら引いて守って少ないチャンスを生かすようなサッカーをしないと厳しいということを指摘している。
「ベタ引きでもいいから守らないと。守んなきゃダメ、正直。つまんないよ。1点入れられちゃうかもしれないよ。でも、なるべく失点1で抑える。で、“ワンチャン”。聖真も(0-3から)1点取ってるし。テレビで観ていたらつまんないかもしれないけど。日本の人は、やっぱ鹿島のサッカーをやってほしいと思うし」
もちろん何が正解か、絶対のものはないが、少なくとも正面から挑んでいったからこそ分かった差というものがある。それをピッチで、肌で感じることは鹿島の選手たちにしかできないことだが、こうした“強度の物差し”は実際にピッチに立っていない日本サッカーの選手、ファン、メディアも共有はできるものであり、一つの指標として未来につなげていくべきものだ。
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河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。