岡崎慎司、日本代表への尽きない情熱 レスターの”1トップ”で示した稀有な才能
日本代表復帰への執念 「プレミアで点を取っていれば必ず…」
もちろん、今の日本代表は大迫勇也(ブレーメン)の1トップが不動で、中島翔哉(ポルティモネンセ)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(フローニンゲン)という若さ溢れる気鋭の攻撃的MFが、1.5列目で活躍し始めている。
しかし、この3年半、奇跡の優勝を果たし、今では“ビッグ6”に追随する中堅クラブとしての評価を固めたレスターで試合に出続ける岡崎慎司のクオリティーに、日本代表選手としての価値はないのだろうか。
少なくともピュエル監督は、全く遊びのないプレミアのリーグ戦で、岡崎を1トップで使う決断をした。言わずもがなだが、プレミアは3000億円という途方もないテレビ放映権料収入を背景に、世界一苛烈な戦いを繰り広げるリーグである。そこで岡崎は、たとえ故障明けや代表戦帰りであっても、イングランド代表FWやナイジェリア代表FWとのポジション争いを制して先発を勝ち取る力があるのだ。
もちろん、現在の岡崎が年齢的な衰えを見せている、もしくは代表への情熱が燃え尽きたというのなら話は違う。しかし岡崎の日本代表に対する思いは、今もひたすらに熱い。
それはフルハム戦後に語った言葉に、しっかりと表れている。来年1月のアジアカップへの代表招集に関しては、「(呼ばれるという期待は)全然ないです。もちろん、アジアカップでは(日本代表に)頑張ってほしいですけど、でも自分が今はメンバーに入るとは思っていない」と語った。しかし、「プレミアで点を取っていれば、必ず必要とされる。W杯やW杯予選とか。なんなら(日本代表が招待国として参戦予定の)南米選手権とか(笑)」と笑顔で話して、プレミアリーガーとしてのプライドと日本代表復帰への執念を、自らの中でしっかりと結びつけていた。
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(森 昌利 / Masatoshi Mori)
森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。