岡崎慎司、日本代表への尽きない情熱 レスターの”1トップ”で示した稀有な才能
「完璧に仕上がっている」 岡崎が猛練習で取り戻した晴れやかな表情
その岡崎が試合に出場していない間、人目を離れて傷を癒し、猛練習を重ね、再び自分を1年前のピークに戻そうと必死の努力を重ねていた。
「フィジカルコンディションは完璧に仕上がっているなと思っています。(ブライトン戦でも)全くバテなかったし、いつもだったら(退場者が出た影響で)あれだけ動いたら、70分は結構しんどいかなと思うんですけど、全くしんどくなかったんで。そういう意味では今、良い体作りができている」
そしてブライトン戦の3日後、レスターはリーグカップ4回戦でサウサンプトンと対戦。岡崎はこの試合も中2日ながら、後半16分の段階で途中出場。0-0のまま試合は終わったが、「今はけっこう試合をすることが楽しい。そういうところで良いモチベーションをずっと維持できているし、徐々に出場時間も増えている」と、試合後に晴れやかな表情で話し始めた。
さらに吉田との“日本人対決”について聞くと、このように語った。
「日本人対決は、あんまり気にしてはいないんですけどね。ただやっぱり、プレミアリーグに日本人がいるということに価値があるとは思う。もちろん、試合に出てなかったら意味がないという声もあるでしょう。でも、まずプレミアリーグでやれているということが大きい。ここまで来たっていう自負というか、日本人として誇りに思う。
もちろん、ここにいる選手は、それ(プレミアでやっているという優越感)に浸っているわけではない。ただ、そのなかで一緒に試合に出たり出なかったり、苦労している。だからこうして、一緒に試合に出ることは嬉しい。まあ僕は今『元日本代表』なんで(苦笑)。日本代表でやっている麻也と試合ができて、自分もまたそこにいつか呼んでもらえるように、プレミアでプレーをいっぱいやりたいという思いはある」
そんなプレミア選手としての誇りを抱えて、続く12月5日のリーグ第15節フルハム戦では、途中出場ながら貴重な同点ゴールをアシストした。右サイドから見事な折り返しのクロスを放ち、ブライトン戦後に「練習で良いコンビネーションを見せている」と語ったマディソンのゴールを演出した。
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森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。