浦和の指揮官が判定に疑問符 「日本で議論が起こらないのは不思議」
テクノロジー導入の是非
サッカーにおけるレフェリングが、ハイスピードの中で起きる事柄に対して瞬時に判断を下していかなくてはならないものだが、そのために4人の審判団でジャッジをしているのも事実だ。第四審判も含め、審判団はインカムを通じて試合中にリアルタイムの情報共有ができるよ うになっている。しかしながら、主審、副審を含めた審判団の全員が、ファウルであったことは事実だが、誰がファウルをしたのかが分からないからカードを出さない、という判断を下してしまったことになる。松尾主審が判定を下したのはプレーに対して20~25メートルほど後方だった。反則した選手を特定できなかった要因として、その距離感にも問題があったと言わざるを得ないだろう。
また、ペトロビッチ監督は、過去に「日本において疑問のある判定があったときに、そのことについて議論が起こらないのを不思議に感じている」とも口にしてきた。
世界中で、レフェリーの判定についてはさまざまな議論が巻き起こっている。ビデオ判定などのテクノロジーを導入するべきだという意見も あり、実際にゴールインの判定では実用化がスタートしている。また、ゴール横に追加副審を配置する制度を導入しているリーグもある。現状、日本ではインカムによる四氏審判団の連携という形を取っているが、この日のジャッジは疑問の残るものになってしまった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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