「キャリアで唯一の苦い経験」 熟練の名将アンチェロッティが抱える“心の傷”とは?
各国のビッグクラブでタイトルをもたらしてきたなか、バイエルンでは2年目序盤に解任
セリエA・ナポリを率いて現在リーグ2位につけるカルロ・アンチェロッティ監督は、ACミランやレアル・マドリードなどビッグクラブにタイトルをもたらしてきた名将だが、昨季バイエルンを解任されたことは、今も“傷”として残っているようだ。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューをドイツメディア「SPORT BUZZER」などが伝えている。
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ミランでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やコッパ・イタリア制覇を実現し、チェルシーではプレミアリーグ優勝、パリ・サンジェルマン(PSG)でもリーグ・アン優勝、レアル・マドリードでも国王杯やCL制覇を成し遂げてきたアンチェロッティ監督は、2016-17シーズンからバイエルンを指揮。1年目にブンデスリーガ制覇を果たしたが、2年目の17-18シーズンは序盤戦で躓き、CLのPSG戦で0-3と敗れた直後に電撃解任となった。
アンチェロッティ監督は当時を「自分のキャリアで唯一の苦い経験」と表現。「バイエルンには構造や労働哲学を変える気がなく、選手の世代交代を進めていく気もなかった。今はやっているところだがね」と話し、クラブ内で“哲学の衝突”があったとした。
イタリア人指揮官は、PSG戦で元フランス代表MFフランク・リベリーをベンチに置くなど“改革”に向けて動いたが、複数選手の圧力を受けて実現しなかったと見られている。
アンチェロッティ監督は今年10月の記者会見でも、1年前は「たった5人の選手しか私を支持していなかった」と、バイエルンで選手との対立があったことを告白。「バイエルンは何も変わっていない。1年前と同じ問題が今もある、そう聞いている」と古巣の刷新が進んでいないと批判的なコメントを残していた。
自らの信念に従った改革が果たせず、志半ばで更迭されたアンチェロッティ監督にとって、昨季の出来事は今もまだ癒やされていない苦い思い出のようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)