【宮本恒靖の目】相手が10人になってからは“ギリシャのゲーム” 日本はもっとリスクを冒すべきだった
味方同士の距離が遠かったことも課題
もう一つ、攻撃面での問題点は味方同士の距離感が遠かったこと。距離感が遠いと何が起こるか。ザックジャパンの生命線であるショートパスによるつなぎや、複数の選手が連動したコンビネーションを出せません。必然的にサイドにボールを展開して、ゴール前にクロスを上げるというシンプルな形が多くなります。
10人になってからのギリシャは、完全に割り切っていました。サイドではある程度自由にやらせてもいいけど、ゴール前は絶対にやらせないと。ギリシャとしては日本がクロスを上げてきても勝てると思っていたはず。日本はギリシャの守り方にハマってしまいましたね。
バイタルエリアで前を向いてボールを持ったら、シュートを狙っていくべきだったと思います。77分に嘉人がミドルシュートを打ってGKに弾かれたシーンがありましたよね。あれ以降、嘉人がボールを持ったときに、相手のセンターバックが食いついてくるようになりました。
例え外れたとしても、シュートを打つというイメージを植え付ければ、相手は食いついてきますし、裏のスペースも空いてきます。サイドからのクロスばかりではなく、攻撃に変化をつけていれば、結果は違っていたかもしれません。