ミランで評価される自己管理の賜物 ミドル弾の本田が示したもの
「毎試合理想を追求して、コンディションを保ちたい」
この後に続くアウェーの戦いに対しても「練習する時間があまりない。そんな簡単に3日、4日で修正できるものではないんで、できる限りコミュニケーションを取ることで改善できる部分を見せていきたい」と語った。チーム内で問題意識を共有しながら改善を図りたいと語った。
ヨーロッパでプレーする日本代表選手の宿命として、アジアとヨーロッパの長距離移動と時差との戦いが避けられない。「毎試合、理想のプレーを追求してコンディションを保っていきたい」と最高の状態で試合に臨むことの大切さを説く。この日は後半38分まで精力的にプレーした。攻撃陣の中心である本田のコンディションは、ハリルジャパンの攻撃力に直結する。だからこそ、本田にはトップコンディションを維持することが求められる。
ミランでは苦境に直面している。リーグ開幕直前のイタリア杯3回戦ペルージャ戦で1ゴール1アシストの大活躍を見せ、フィオレンティーナとの開幕戦にスタメン出場したが、前半39分に味方が退場者を出した影響で交代。第2節のエンポリ戦はベンチで90分間を過ごした。「しっかりコンディションを保つことが自分にとっては大事」という言葉を体現するためにも、ミランでレギュラーを奪い取ることが大切だ。次のアフガニスタン戦を終えてイタリアに戻れば、再び激しい定位置争いが待っている。昨季フィリッポ・インザーギ前監督時代は日本で代表戦を戦い抜き、欧州との往復フライト後、マルペンサ空港から練習場ミラネッロに直行した。自宅で休養を命じるクラブスタッフの制止を振り切り、練習を強行したこともある。それもコンディション維持のためだ。
ミランでプロ意識を高く評価される男が雨の埼玉スタジアムで放った存在感は絶大だった。日本代表に本田あり。不完全燃焼のカンボジア戦で力強くデモンストレーションを見せた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images