アラベスがJ2昇格の鹿児島と提携した理由 来日したCEOに密着、見えてきた狙いとは?
鹿児島の価値が上がれば「アジアや日本におけるアラベスの価値も上がっていく」
――鹿児島にとってアラベスとの提携は、とても魅力的だと思います。それでは逆にアラベスにとって鹿児島や日本、アジアにどのようなことを期待していますか?
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「まずは鹿児島ユナイテッドがアラベスと提携することで、こういうことをやっているよ、その結果チームもサポーターも地域もとても喜んでいるよと見せられるようにすることが重要です。そして鹿児島との提携で得たことをアジアに発信することで、アジアの人々も、チームも鹿児島に目を向けてくれるのではないでしょうか。夢に向かって一歩一歩着実に、具体的に動いていくことが大事です。鹿児島の価値が上がることで、結果的にアジアや日本におけるアラベスの価値も上がっていくと信じています」
――今季のリーガでアラベスは好調です。率直な感想と評価を教えて下さい。
「今いる位置を守り抜くこと。1試合1試合しっかり積み重ねていくこと、その結果もちろん優勝やUEFAチャンピオンズリーグに出場することを目指しています。その目標を持ちながらも、今は一喜一憂せず着実に取り組んでいます」
――アラベスは6シーズン前、スペイン3部リーグに所属していました。しかし今は1部で優勝を狙う位置にいます。この期間にどのような強化を行ったのですか?
「たくさん時間をかけて、関係者全員が一生懸命働きました。全ての分野においてです。お金集め、選手育成、スカウティング、分析のシステムの構築、本当に全ての分野においてです。それから運もある。スポーツなので、ちょっとした油断が命取りになります。細かいところまで気を遣って、時間を使って一生懸命働くこと、それをずっと続けてきた結果が今の状況だと思っています」
――バルセロナやレアルといったビッグクラブに比べたら、資金面では恵まれていません。そのなかで成功を収めるために、どのようなことをしてきたのでしょうか?
「この20年間、ずっとバルセロナやレアルとも試合をしている。彼らにできて自分たちにできないことは何か? 試合をすることで経験し、考え、力を蓄えてきました。それから我々ができるオリジナルは何か見つけ出し作り上げてきた。それはサッカー面に限らず、ビジネス面でもそうです。外国人選手も、他のビッグクラブが見落としている、良い選手をさらに探し出す。スタジアムの整備もやってきました。そういうことの積み重ねが良い選手を育て、チームが強くなることへと導いたのです」
――やはりチーム強化には、積み重ねが重要なんですね。
「そうです。それが一番重要だと思います。しかし、たまには2段階、一気に登ることもありますよ(笑)」
――鹿児島がJ1に昇格する時も、鹿児島まで応援に来ますか?
「その前にぜひ来たいと思っています。スポーツは毎日がチャレンジです。その前に何度も来たいですね。自分たちが来るだけでなく、鹿児島の方もぜひアラベスに来てほしいと思っています。一緒に未来を作るパートナーなのですから」