浦和一筋17年――DF平川忠亮が引退会見で告白 「あの瞬間のことは今でも…」
元日本代表MF鈴木啓太と「何度も、どうやったら上手くいくかと話しをして…」
「本当に城南が素晴らしいチームで、なんとかPK戦に持ち込んで勝ったという試合でした。延長戦が終わって疲れ切っていて、PK戦の話もほとんど聞いていなかったところで、『ヒラも蹴るぞ』と。でも、何番目だか分からなくて、1番から順番に選手が出ていったら5番目しか空いてなかったんですよね。それでも決められて、あの瞬間のことは今でも覚えています」
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その後、副キャプテンを務めた11年にはJ1残留争いに巻き込まれた。これがキャリアの中で最も苦しい思い出だと話し、そのシーズンの主将を務めた元日本代表MF鈴木啓太とは「何度も、どうやったら上手くいくかと話しをして……。どれだけ頑張っても上手くいかない。アウェーの福岡戦(第33節)で、ここで決めないと厳しいと思っていた中で先制された後に逆転して勝てた時は、嬉しいというよりも安堵して、解き放たれたような気持ちでした」と振り返った。
翌年からミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任し、「30歳を越えて新しいサッカーと出会えて、考えながらプレーしないといけない。少しでもボーっとしていれば追いつかなくて。よりサッカーが好きになったし、あのタイミングでミシャさんが来てくれたことが、ここまで選手を続けられたことにもつながったと思う」と話した。
そんな平川が現役時代にこだわってきたことは「常に次の試合が大事だ」ということだ。それは「人間は満足すると成長しないもの。いろいろなメダルやカップももらったんですけど、絶対に部屋には飾らないようにしてきた。常に次の試合、次のタイトルを取るという気持ちでやってきました」という行動にも表れた。