広島MF青山敏弘、現役ホーム最終戦を迎えた先輩・森﨑和幸にかけられた言葉とは?
「来週、カズさんとスタメンで出たい。それはイコール試合に勝つということ」
試合に際しては、ほとんど会話を交わさなかったという。それは青山が広島に加入した2004年以降、J2降格から3度のJ1優勝まで15シーズンにわたって苦楽をともにし、08年以降はボランチの“相棒”を務めてきたからこそ。正確に言えば、“交わす必要がなかった”というところだろう。
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「今日の試合もそうですけど、敢えてカズさんと話すことはあまりない。その分、分かり合えていると自分では思っています。というよりも、カズさんが僕のことも、ピッチのことも、試合のことも分かっている。カズさんがいれば、自分のやるべきことが全て出せる環境に自然となるんです」
森﨑は今季を最後にスパイクを脱ぐ。慢性疲労症候群という難病と闘いながら、クラブの象徴として常に先頭に立ち続けてきた偉大な先輩の後継者が求められるが、「目指してなれるものじゃない」と青山は言う。
「カズさんがいなくなったら、目標というかお手本がいなくなるので……難しいですね。来週、(シーズン最終戦の札幌戦で)カズさんと二人でスタメンで出たい。そのために準備したい、それはイコール試合に勝つということ」
連敗を止めて、最後に森﨑と勝利の喜びを分かち合う――。選手全員の総意を胸に、青山は静かに闘志を燃やす。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)
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