森﨑和幸の引退に元同僚MF李漢宰が“贈る言葉” 偉大なサッカー人生に馳せる想いとは?
広島で9年間共闘した町田MF李漢宰が敬意 「僕が思い描いていた理想のプレーヤー」
11月24日、サンフレッチェ広島一筋20年のMF森﨑和幸が、J1リーグ第33節の名古屋戦終了後に現役引退セレモニーに臨む。広島生まれ、広島育ち、広島ユースからトップチームに昇格して、3度のJ1優勝、2度のJ2降格を味わうなど、クラブの象徴として君臨してきた熟練ボランチは、難病と闘いながら多くのサッカー選手、そしてファン・サポーターに愛されてきた。現在、J2のFC町田ゼルビアに所属するMF李漢宰(リ・ハンジェ)も、森﨑を尊敬し、その背中を追いかけてきた一人だ。9年間にわたって、悲しみや喜びを分かち合った“戦友”は、1学年上の偉大な先輩の引退に、「カズさんが積み上げてきたものはサンフレッチェの歴史そのもの」と思いを馳せた。
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森﨑は的確なカバーリングや鋭いボール奪取、正確なパスで攻守に広島を支えてきた。ミハイロ・ペトロヴィッチ(現・北海道コンサドーレ札幌監督)が「ドクトル(博士)」と称し、かつて広島を率いた森保一氏(現・日本代表監督)が「ピッチ上の監督」と敬意を示したほどだ。唯一無二のチームプレーヤーと同僚になった選手は口々に、「カズさんの凄さは一緒にやってみないと分からない」と言う。それは、ボランチでコンビを組んだ経験を持つ李漢宰も同様だ。
「同じポジションで、一緒に試合にも出ていたので、学ぶことは本当に多かったです。一言で表現すれば『上手い』。でも、サッカーIQが高くて、技術に関しては言葉にならないくらい凄かった。これは本当に一緒にやった人じゃないと分からないと思います。周囲に対して気配りができて、仲間を自分の役割に徹することができるように導く。カズさんがいるだけで安心してプレーできました。なぜ日本代表に選ばれないのか不思議だったし、一緒に戦った選手たちはそう思っていたはずです」
森﨑と李漢宰は一学年違いの同世代だが、常にその背中を追いかけていたという。
「カズさんのように、チームに欠かせない存在だと思ってもらえるような選手・人間でありたいとずっと思ってきました。学ぶだけでなく、追い抜きたいという気持ちで必死にやっていたのを今でも覚えています。そういう意味では、僕が思い描いていた理想のプレーヤーでした」