独走していた広島の大失速はなぜ? データが物語る「依存症」の“副作用”
【データで診るサッカー】パトリック占有率が高まるなか、シュートの“質”が落ちていることを数字も物語る
ロシア・ワールドカップ(W杯)の中断期前にJ1リーグを独走していたサンフレッチェ広島は、川崎フロンターレにリーグ連覇を許した。前半戦終了時点で2位FC東京と勝ち点9、3位の川崎とは同10ポイント差あったが、第33節を迎える段階で首位・川崎とは勝ち点7差の2位。後半戦だけで見れば、実に17ポイント差をつけられたことになる。なぜ広島は後半戦で悪夢のような失速に陥ったのか。その要因は、今季20得点を挙げているエースのFWパトリックにあった。
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パトリックは今季32試合中28試合でフル出場し、相手の徹底マークを受けるなかでチームトップの20得点をマーク。ロシアW杯前の第15節までを前半戦、再開後の第16節以降を後半戦と区切ると、どちらのスパンでも10ゴールを記録している。しかし、プレーデータからは、その内容の違いが浮き上がってくる。
データ分析会社「InStat」によれば、パトリックは前半戦でシュート数が1試合平均3.33本(計50本)だったのに対し、後半戦は平均4.88本(計83本)とアップ。チーム全体も平均13.00本(計195本)→平均14.71本(計250本)と増えるなか、パトリックの占有率は25.6%から33.2%と一層際立っている。
一方、アタッキングサードへの侵入回数は平均29.20回(計438回)から平均26.41回(計449回)に減少。枠内シュートこそ平均1.47本(計22本)→平均1.76本(計30本)と微増だが、シュート決定率は20.0%から12.0%に大幅に低下しており、シーズンを追うごとにシュートの“質”が落ちてきたことが窺える。
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