日本代表「アジア杯ベスト布陣」を金田喜稔が選出 「勝ちにいくなら香川、乾も…」
香川や乾が“2列目トリオ”と連動する姿は容易に想像がつく
ダブルボランチは遠藤航(シント=トロイデン)を軸に、コンディション向上を期待してやはり柴崎岳(ヘタフェ)を先発候補としたい。
キルギス戦で三竿健斗(鹿島アントラーズ)と守田英正(川崎フロンターレ)が好パフォーマンスを見せたが、アジアカップでは引いた相手をいかに崩すかが最大のテーマとなる。そのなかで縦パスを入れたり、左右に揺さぶりながら、自陣ゴール前に張りつく相手を引っ張り出すためにはミドルシュートも狙わなくてはいけない。そうした役割を考えれば、柴崎はアジアカップのキーマンとも呼べる存在であり、同じプレーメーカータイプで言えば、負傷が癒えれば青山敏弘(サンフレッチェ広島)も有力候補になる。
そして攻撃陣は2列目に中島翔哉(ポルティモネンセ)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(フローニンゲン)の3人、1トップに大迫勇也(ブレーメン)を置く形が確立された。この4人を軸にジョーカーとしても結果を残した原口元気(ハノーファー)、伊東純也(柏レイソル)は当確と言える存在だろう。
そうした半面、この5試合で露呈したのは、キルギス戦の後半に攻撃陣を総入れ替えしたように、彼ら主力と控えの差がありすぎること。森保監督も勝つために、この部分のテコ入れは考えているはずで、今週末から初の欧州視察に出向くのもその一環だと考えられる。
特に注目を集めるのは、ロシア・ワールドカップ(W杯)で攻撃を牽引した香川真司(ドルトムント)と乾貴士(ベティス)の二人だ。ともに実績十分で計算できる選手だけに、大会直前の合流でも全く問題はないだろうし、テクニカルな彼らなら中島や南野、堂安らとピッチ上で連動する姿は容易に想像できる。
もっとも彼らは今、所属クラブで思うように出場機会を得られていない。そこをどう判断するかは森保監督次第だが、勢いに乗る中島、南野、堂安の3人が守備的なアジア勢を相手にした公式大会のなかで、スペースを見出せず思うように攻略できない試合もきっと出てくるはず。日本がリズムに乗り切れない時の修正力、経験値、メンタリティーを考えると、W杯経験者をチームに多く加えておくメリットはあるだろう。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。