「世界基準の才能」と絶賛! 日本代表「ベネズエラ戦出場15選手」を金田喜稔が査定
冨安には「未来の最終ラインのリーダーになれる素質がある」
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■酒井宏樹(マルセイユ)=B
日本代表での初ゴールを決め、右サイドでどんな相手と対峙しても1対1のフィジカル勝負で負けない強さを見せていた。限りなく「A」評価に近いパフォーマンスだっただけに、終盤のPK献上は残念。疲れているなかでつい体が浮いてしまい、ジャンプしてしまった。その落下地点で相手に体を入れられ、相手が倒れた。跳んで地面から足が離れたら、人は自らの動きを十分にコントロールできない。2点をリードしていたわけではないし、ペナルティーエリア内では慎重に判断してほしかった。
■冨安健洋(シント=トロイデン)=B
序盤に失点を防ぐ間一髪のクリアからゲームに上手く入り、リズムに乗ることができた部分は大きかったが、冨安のフィジカル、高さ、フィード能力は試合に出れば出るほどさらに伸びていく印象だ。高さという部分は確実に計算ができ、安心感をもたらしてくれる。周りをしっかり首を振って見ていて、自分の前にいる選手へのコーチングも、ラインコントロールも気にしながらプレーできていた。未来の最終ラインのリーダーになれる素質を持った選手。昌子が復帰すれば当然ポジション争いが待っているが、このパフォーマンスなら吉田の控えにもなれる。そうした計算もできるくらい、楽しみな存在になった。
■吉田麻也(サウサンプトン)=B
クラブでなかなか試合に出場できていないが、パフォーマンスは悪くなかった。目を見張ったのは、中盤で柴崎と遠藤が相手にプレスをかけられてボールが収まらない時のフィードだ。左のセンターバックを務めるなか、利き足とは逆の左足でフィードをしたシーンが何本かあったが、その精度は低くなく、蹴る時のフォームもきれいで、さすがだなと感じさせた。左センターバックは、どうしても左足で蹴るべき場面が増えるが、難なくこなせるのは器用だし、吉田のCBとしての総合力が上がっている証なのだろう。
■佐々木翔(広島)=C
1対1の守備、176センチでもヘディングが強く、フィジカル能力も含めて森保監督は期待しているのだろう。ただ、Jリーグレベルではこなせても、まだ代表レベルではプレーの判断が少し遅い。追いつめられ、チームが苦しくなるようなパスを結果的に出してしまうシーンも散見された。ポテンシャルはあるだけに、頭の中の状況判断のレベルアップをもう少し求めたい。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。