「世界基準の才能」と絶賛! 日本代表「ベネズエラ戦出場15選手」を金田喜稔が査定
試合勘が欠如する柴崎だが「後半の修正力はさすが」
■中島翔哉(ポルティモネンセ/→後半23分OUT)=B
いつもどおりの中島だったという印象で、仕掛けた時のプレーの選択肢が多い。体からボールが離れない同じフォームのドリブルによって、対峙した守備者に的を絞らせず、自分の形になれば迷わずミドルシュートを狙っていた。どんな相手とやっても、自らのスタイルはブレないという強さを改めて示したが、決めなくてはいけない1対1の決定機で外したため「B」評価とした。
■堂安 律(フローニンゲン/→後半32分OUT)=B
右サイドで攻撃の起点になり、アタッキングサードでリスクを冒すプレーと、ハーフウェーライン付近でチームに安定感を生むプレーの使い分けはできていた。個人的には、少し周りを使いすぎている印象があり、もっと自らが主導権を握って仕掛けてもいい。前半26分にターンからGKと1対1になった場面は、ゴールに対して体が正面を向きすぎてしまい、利き足とは逆の右足で逆サイドへ転がすしかない状況となり外してしまった。ボールの置きどころを含め、本人にとっては悔やまれるシーンだろう。
■遠藤 航(シント=トロイデン)=B
後方に構えてコンビを組んだ柴崎をサポートした。ただ、個人的には青山敏弘(広島)と組んだ時のような、前に出て行く姿をもっと見たい。彼の能力を考えれば、最終ライン4人の前に張りつく選手ではない。より高い位置で攻撃のリズムを作り、ピンチの時は高い位置で相手の攻撃の芽を潰しインターセプトを狙っていく。そんなアグレッシブな持ち味を、より出せるような関係性を築いてもらいたい。
■柴崎 岳(ヘタフェ)=C
所属するヘタフェで試合に出られない以上、パフォーマンスは落ちる一方だ。ゲームの感性、チャレンジする勇気に欠け、消極的になることでミスを恐れて横パスばかりになる。まさに前半はそんなプレーに終始しており、体と頭のコンディションが落ちている印象が拭えなかった。裏返せば、そんな状態の柴崎を起用するところに、アジアカップを視野に入れた森保監督の信頼と、試合勘を少しでも取り戻させたいとの意図が垣間見える。後半、少しペースを取り戻し、チャレンジするプレーを増やした修正力はさすがと感じさせるもので、「D」ではなく「C」評価とした。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。