充実の“攻撃カルテット”、浮き彫りになった課題… 英記者が見た「日本代表の現在地」
ベネズエラに1-1ドロー、森保新体制4連勝ならず
日本代表は16日、国際親善試合でベネズエラ代表と対戦し、1-1と引き分けた。前半39分にセットプレーからDF酒井宏樹(マルセイユ)が先制点を奪うも後半36分にPKを決められ、史上初の新体制4連勝とはならなかった。
この試合を、かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップを6大会連続で取材した英国人記者マイケル・チャーチ氏はどのように見たのだろうか。
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金曜日の夜、試合終了間際にトマス・リンコンにPKを決められたが、それでも森保一監督が楽観的でいられる理由がある。
ウルグアイ戦のようなミスがいくつか表面化したものの、活気に満ち溢れたパフォーマンスと攻撃陣のカルテットの相互理解が順調に深まっていることは、森保監督を大いに満足させていることだろう。森保監督はアジアカップ開幕に向け、現時点で大迫勇也(ブレーメン)、中島翔哉(ポルティモネンセ)、堂安律(フローニンゲン)、南野拓実(ザルツブルク)がファイナルサードの有力なオプションとなることを明確化させた。
チームの変更は非常にシームレスだった。新体制の下、これまでの日本代表を牽引してきた本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)や香川真司(ドルトムント)、乾貴士(ベティス)、岡崎慎司(レスター)らは過去の存在として引導を渡されている格好となっている。未来は、ベネズエラ戦でも先発したエキサイティングなカルテットに懸かっている。
この攻撃陣のなかで、ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦のベルギー戦(2-3)を経験したのは大迫だけだ。その試合で先発し1得点を決めた原口元気(ハノーファー)は序列を落とすことになったが、パフォーマンスが乏しくなっているわけではない。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。