日本代表“ボランチ戦線”、現状の「ベストセット」は? 遠藤は不動、その相棒は…
柴崎は試合勘が不安も「チームのバランスを崩さないように流れを見ながらやりたい」
一方で、ロシアW杯主力組の一人である柴崎は、現体制では輝きを放てずにいる。所属クラブのヘタフェでレギュラー落ちを味わい、今季はリーグ戦2試合、カップ戦1試合の計139分間しかプレーしていない。10月シリーズの出来を見ても試合勘の不安は付きまとうが、本人は「変な焦りとか、気持ち的にどういうというのはあまりない」と意に介さない。
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今回はMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)が負傷で不参加の影響もあり、いわゆるゲームメーカーは柴崎しかいない。推進力溢れる2列目のトリオを生かしたうえでのゲームプランについては、次のように語っている。
「彼ら(2列目)が前を向いて仕掛けられるように。かと言って、チーム全体のバランスを崩すわけにはいかないので、ボランチ二人が試合の流れを見ながらやりたい。W杯とやる選手が違えば、それなりにやることも変わってくる。ただ基本的な部分は変わらないので、質と量と精度を上げていきたい」
森保監督の戦術を熟知する青山のリーダーシップやロングフィードは大きな武器だが、その反面、すでに32歳とベテランの域に差し掛かっている。2022年のカタールW杯までを見据えれば、26歳の柴崎や9月シリーズを負傷で辞退した25歳のMF大島僚太(川崎フロンターレ)が競争を繰り広げて軸にならなければならないだろう。
ボール奪取力が光るMF三竿健斗(鹿島アントラーズ)は、初スタメン&フル出場を果たしたパナマ戦で、「受けて捌く」役もソツなくこなした。しかし、「ワンタッチのフリックで縦パスを入れたり、出した後にもっとFWの近くまで顔を出してゴール前でプレーする」ことを今後の課題に挙げているように、前への意識や経験は遠藤には及ばない。追加招集の守田英正(川崎)を含めて、現時点では遠藤のバックアッパーという位置づけか。
11月シリーズでボランチの序列は動くのか、来年1月のアジアカップに向けても大きなポイントになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)