旅のススメ

アウェーの地でせっかく美味しいご当地のものを食べようにも、その願いが叶うことは少ないのだ。 それでもときどき、ビュッフェのメニューに地元の名物があるときは、選手たちから歓声が上がる。 このときのチーム内の競争意識はとんでもなく高まり、 嵐が過ぎ去ってからゆっくり取りに行こうものなら、もうすっかりなくなっている、なんてことはざらにある。 しかし、稀にではあるが、デーゲームを終えて移動するときに、 駅や空港でご当地のものを扱うレストランに行く幸運に恵まれることもある。 美味しいものをつつきながら、みんなでささやかな祝勝会をやる。(もちろん反省会もあるのだが・・・) もちろんそこにアルコールは、ない。 アスリートの性なので仕方ないが、そこはすこし寂しい。 現役から退いた昨今、解説の仕事で訪れたバルセロナは愉しかった。 まず美味しい。 新鮮な海の幸が。 イベリコ豚の生ハムとワインが。 美しい海や街並みに息を飲んだ。

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