ミラン本田いきなり正念場 トップ下レギュラーから一気に3番手に降格
スソがトップ下先発! 途中出場のボナベントゥーラが決勝アシスト
この試合でトップ下の選手を2人が務めたが、本田はそこに声が掛からなかった。エンポリ戦の時点では、ミハイロビッチ監督の選択肢の中で本田のトップ下としての序列が一気に先発から3番手に下がった可能性は高い。その上、ボナベントゥーラは投入後に攻撃を活性化させた上に、コーナーキックからFWルイス・アドリアーノの決勝ゴールをアシスト。結果を出してポジション取りを大いにアピールしている。
この試合の最中に9月3日と6日に行われる欧州選手権予選のイタリア代表メンバーが発表され、ボナベントゥーラは選出されなかった。また、リバプールから期限付き移籍の形で電撃復帰後、トップ下としてのトレーニングを行ったと伝えられるFWマリオ・バロテッリも同様だ。
一方で、本田は約10日間チームを離れ、日本代表の一員としてワールドカップ予選を戦うことになる。この間に、チームのトレーニングで本田抜きの陣容が固まってしまえば、更なる苦境に追い込まれる可能性はある。
昨季本田は開幕7試合で6得点2アシストとロケットダッシュに成功し、定位置とフィリッポ・インザーギ前監督の信頼をがっちりとつかんだ。だが、今季もイタリア杯でセリエBのペルージャ相手に1得点1アシストと活躍したが、フィオレンティーナ戦では劣勢のチームの中で攻撃で見せ場を作ることはできず、あまりに早い交代となった。そして、この日は出番なしに終わり、チームは勝利した。
本田を取り巻く状況に逆風が強まり始めた。3季連続で名門ミランのエースナンバー「10」を背負う男はシーズン開幕から間もない中でいきなり正念場を迎えている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images