カシジャス&シャビ時代の終焉も、スペイン国内では意外な論調が主流に
敗因は指揮官の人選ミス
オランダやチリという強豪国が相手とはいえ、ブラジルと並び優勝候補筆頭に挙げられたスペインの早期敗退は一時代の終焉を象徴付けた。ただ、これはスペインサッカーそのものの終わりではなく、カルレス・プジョルも含めたカシジャス、シャビの世代の終わりを告げるものだと言えるだろう。
ただし、今回のスペインの敗因は世代交代の失敗というよりも、コンディションの整わなかったカシジャスとジエゴ・コスタにこだわったデルボスケ監督のマネジメントの失敗だと感じる。得点に直結するGKとストライカーがあれほど不安定なパフォーマンスでは、いくらボール支配率を高めて中盤を安定させても守れない、点を取れないチームに成り下がってしまう。
他にも敗因はいくらでも挙げられそうだが、意外にもスペイン国内では「2008年のユーロ制覇から6年、われわれに多くのものをもたらしてくれた選手たちに感謝」という論調が主流となっている。
今大会の内容と結果だけを見れば、大きな期待を裏切った選手や監督に対する批判や怒りはあって然るべきなのかもしれないが、スペインに栄光と歓喜をもたらした最高の選手たち、そして最高の世代だからこそ、「喜びだけではなく悲しみも共有したい」という冷静な意見が識者を中心に広まっている。
小澤一郎●文 text by Ichiro Ozawa