“炎のGK”川口能活が大切にした「不動のメンタル」 神がかり的PKセーブの極意にも言及
PKセーブの極意は「目力で相手を威圧するくらい」
そんな川口らしさが存分に発揮されてきたシーンと言えば、PKの場面だろう。チームにとって絶体絶命と言える試合中のPKシーン、あるいは120分の死闘を経て迎えた勝負を分けるPK戦において、川口はキャリアの中で多くの記憶に残るセーブを見せてきた。
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なかでも“神セーブ”として今も語り継がれるのが、2004年7月31日に中国の重慶で行われたアジアカップ準々決勝、ヨルダン戦でのPK戦だ。120分の死闘を1-1で終え、迎えたPK戦でも日本は大苦戦。1人目の中村俊輔(現・ジュビロ磐田)、2人目の三都主アレサンドロが連続で失敗。さらにPK戦の最中に芝が荒れていることからサイド変更が行われるなど、GKにとっては集中力を保つのが難しい状況が訪れていた。だが川口は、この絶体絶命の状況のなかで神懸かり的セーブを連発していく。7人目までもつれ込んだPK戦を4-3で制する立役者となった。
引退会見でこうした「PKストップの極意」について聞かれた川口は、「特にないですね(笑)」と答えつつも、“炎の守護神”らしい言葉でつないだ。
「目力で相手を威圧するくらいですからね。最近、キッカーの質も非常に上がっていますし、PKを止めるGKも増えている。特にコツというのはないですね。相手をいかに威圧するかだと思います」
相手キッカーがボールをセットする姿を、ゴールマウスからじっと睨みつける――。11メートルの距離で向かい合う1対1の果たし合いで、川口が最も大切にしたのは「目力」だったという。
絶体絶命のピンチでも動じない「不動のメンタル」と「目力で相手を威圧する」。現役引退会見で語られた言葉には、多くのファンに愛された川口らしさがあふれていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)