香川真司、なぜ”森保ジャパン”に呼ばれないのか? 識者が分析する3つの理由

(左から)MF堂安律、FW南野拓実、MF中島翔哉【写真:Getty Images & 田口有史】
(左から)MF堂安律、FW南野拓実、MF中島翔哉【写真:Getty Images & 田口有史】

香川の枠を用意するには? 中島、南野、堂安と競争 または原口か伊東を削るか

 いわゆる2列目の選手は中島、南野、堂安、原口、MF伊東純也(柏レイソル)の5人で、前回は追加招集だったFW北川航也(清水エスパルス)も南野と同じく縦の2トップという関係で、2列目の中央に入ることは可能だ。

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 2列目で10月と状況が違っているのは、香川と同じくロシアW杯の主力を担った原口がW杯明けからコンディションを戻し、ここのところハノーファーで継続的にプレーできていることだ。そもそも中島、南野、堂安とプレースタイルが異なり、左右のサイドをこなせる原口は仮にベンチスタートとなっても途中からチームに活力を与える存在として、森保監督に重宝される素地はある。

 9月のコスタリカ戦と10月のパナマ戦でゴールを挙げている伊東は、ダイナミックな縦の仕掛けや飛び出しを武器とするサイドアタッカーで、柏では攻撃の中心選手ながら、アジアカップを見据える森保ジャパンでは貴重なジョーカーとなりえる存在だ。

 現状、FWが3枚で2列目を本職とする選手が5人という攻撃陣。これまで通り4-2-3-1と4-4-2を併用する形で、南野は2トップの一角、トップ下、サイドハーフをこなし、堂安と中島もトップ下でプレーできるなど、有事のマルチな起用も想定できる。また原口と伊東は3-4-2-1を採用する場合にシャドーだけでなく、アウトサイドで使うことも可能だ。

 アジアカップを見据えて森保監督がすでに23人の構成バランスをシビアに考えて選考しているとするなら、香川は中島、南野、堂安との競争か、あるいは原口と伊東のどちらかを削り、枠を用意する必要が出てくる。もう一つは南野をFWとして計算し、純粋に2列目を1枚増やすという形だ。それにより3人のGKを除き、基本的に1つのポジションに2人を配置する構図になり、紅白戦も組みやすい。

 現在は2列目の選手がボールを持つとかなり積極的に縦へ仕掛けて、そこにコンビネーションを織り交ぜるスタイルを取っている。そうなるとトップ下の選手は実質的な“セカンドトップ”になるため、南野は適任であり、何より点を取るという仕事で最も期待できる選手であることも確かだ。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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