香川真司、なぜ”森保ジャパン”に呼ばれないのか? 識者が分析する3つの理由
香川よりも起用法的に厳しいとも言える状況の柴崎、招集の要因は?
所属クラブの主力として試合に出ていた酒井、長友、大迫の選出はともかく、吉田、柴崎、原口の3人は十分に出場時間を得られていたわけではない。それでも招集されたのは森保監督の“コアメンバー”になり得る選手として、もともと構想にあったと考えられるのと、ポジションやタイプごとの選手層の違いがある。
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吉田はセンターバックの中で国際経験が飛び抜けており、ロシアW杯ではコーチとして帯同した指揮官がキャプテンマークを託したことから、単にディフェンスリーダーとしてだけでなく、チームをまとめる精神的な支柱として信頼していることが分かる。
柴崎については、クラブにおける状況が香川とほとんど変わらないか、むしろ起用法的により難しい状況とも言える。MF長谷部誠(フランクフルト)が代表引退を表明したなかで、国際経験の豊富なボランチは限られるという点と、森保監督が柴崎のゲームコントロールを高く評価していることが、柴崎招集の大きな要因だろう。
彼らW杯主力の海外組6人のうち、実際にアジアカップまでの最強の相手と見られた10月のウルグアイ戦で5人が先発起用された。同じ10月シリーズのパナマ戦(3-0)で先発し、ウルグアイ戦でベンチスタートだった原口もウルグアイ戦の終盤に中島との交代で出場。短い時間ながら4-3で勝利した試合を締める役割を果たした。
そして迎えた11月のメンバー選考でも、森保監督は気胸の手術で離脱中の長友を欠く左サイドバックにDF山中亮輔(横浜F・マリノス)を招集。また、これまで招集されたFW小林悠(川崎フロンターレ)とFW浅野拓磨(ハノーファー)が続けざまに負傷し、FW鈴木優磨(鹿島アントラーズ)が選ばれた(その後、ACL決勝での負傷により鈴木は辞退。9月に途中離脱したセレッソ大阪のFW杉本健勇が追加招集)。彼らを除くと10月からそのままのメンバーだった。そこからMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)の怪我によりMF守田英正(川崎フロンターレ)が追加招集されたものの、来年のアジアカップに向けてほぼ陣容が固まってきたと言える。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。