歓喜の裏側で何が起きていたのか? リーグ連覇の川崎、知られざる「ゴール秘話5選」
「わざとボールを出してくれた」 J1初出場でゴールのMF鈴木が感嘆「本当に余裕ある人」
■J1初出場でMF鈴木雄斗が決めた劇的決勝弾(5月12日/第14節:柏レイソル/2-1)
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第14節柏戦で試合終了間際に劇的な決勝点を挙げたのは、後半41分から出場した鈴木だった。J2モンテディオ山形から新加入となった鈴木は、この試合がJ1初出場。右サイドで味方からボールを受けると、猛然と縦に仕掛けてクロスを上げて、ファーストプレーを終えている。何気ないプレーだったが、あのファーストプレーにつながるパスには、こんな無言の会話があったと言う。
「あのパスはケンゴさん(中村)からで目が合ったんですよ。わざと僕にボールを出してくれたんです。絶対にそういう顔をしていた(笑)。本当に余裕ある人だなと。普通に抜けたし、相手も疲れていたのだと思います。あれで良い感触はありましたね」
J1の舞台で緊張していたであろう鈴木に、まずはボールタッチをさせてリラックスさせる。何気ないパスに「優しさ」を込めるあたり、さすがバンディエラである。そして、あのファーストタッチが、その後の鈴木の思い切り良いプレーを引き出したのは言うまでもない。中村からのパスによる「落ち着き」があって生まれた終盤の劇的決勝弾だったに違いない。
いしかわごう
いしかわ・ごう/北海道出身。大学卒業後、スカパー!の番組スタッフを経て、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の担当記者として活動。現在はフリーランスとして川崎フロンターレを取材し、専門誌を中心に寄稿。著書に『将棋でサッカーが面白くなる本』(朝日新聞出版)、『川崎フロンターレあるある』(TOブックス)など。将棋はアマ三段(日本将棋連盟三段免状所有)。